技術情報

子牛感染症対策事例について

 子牛感染症の高被害農場において十勝NOSAIが実施する子牛感染症対策(一般損害防止事業)を平成23~25年度にかけ実践した結果、事故率が大きく低下しましたので、その概要について報告いたします。

農場の飼養状況と疾病予防について

 畑作兼業で繁殖和牛60頭、子牛等80頭を飼養し、疾病予防として畜舎消毒やワクチン接種等を実施していました。

年度別の死廃・病傷発生状況について

 平成22年度における子牛の病傷頭数(グラフ‐1)は肺炎や腸炎を主体に37頭で頭数被害率22.7%、死廃頭数(グラフ‐2)も肺炎や腸炎に加え胎児死で26頭、頭数被害率16%といずれも事故多発状況にありました。また、異動状況(グラフ‐3)については、1月~3月の冬期間に出生と導入が多く蜜飼状況にありました。

グラフ1 年度別病傷頭数

年度別死廃頭数

グラフ2 年度別死廃頭数

異動状況

グラフ3 異動状況

対策と結果について

病因検索の結果に基づく治療と感染症予防プログラム(図‐1)の見直し、あわせて計画的な導入と人工授精の実施、また平成24年度には子牛等の畜舎を増築した結果、病傷・死廃事故ともに減少傾向で推移し平成25年度における病傷の頭数被害率は8%、さらに死廃においては頭数被害率が5.5%までに減少しました。

  • 分娩前の親牛全頭に下痢5種混合ワクチンを接種
  • 生後1ヶ月前後でバイコックス経口投与
  • 生後1~2ヶ月齢で全頭にリスポバルワクチン接種
  • 生後3ヶ月齢以降で全頭に5種混合生ワクチン接種

図1 感染症予防プログラム

農場の取組みについて

 下記に示したとおり、主にワクチンプログラムの継続、計画的な人工授精と更新、周産期および出生子牛の管理を強化することで事故は減少し、今後も、この農場における事故低減に向けた取組みに期待しています。

  • 感染症予防プログラム
    ワクチン(下痢5種、リスポバル、5種生)接種
    バイコックス投与
  • 授精回数(出生数)のコントロール、定期的な導入計画
  • 定期的な牛群更新
  • 十分な分娩監視、冬季出生牛の保温
    –出生後十分な初乳給与(初乳製剤は補助的に使用)
    –冬季の分娩コントロール
    –母牛の飼養管理、特に分娩1ヶ月前からの栄養管理の充実
    –虚弱子牛の予防
  • 異常牛の早期発見、早期往診依頼
  • 定期的な牛舎消毒