技術情報

牛サルモネラ感染症の防除対策について

 牛サルモネラ感染症を発生した農場において十勝NOSAIでは、糞便等の細菌検査料の2/3を組合が負担するサルモネラ感染症対策事業(一般損害防止事業)を実施しています。昨年、発生農場数が数年ぶりに増加しましたので、この感染症について報告いたします。

年度別の飼養頭数規模別発生農場数について

 平成12年度からの発生農場数を示しましたが(グラフ1)、平成20年度が23農場と最も多く、次に平成17年度と27年度の19農場でした。飼養規模頭数別では、23年度より飼養規模1,000頭以上の農場でも発生し、27年度は5大規模農場で発生がありました。飼養頭数の多い農場での発生は、治療および検査と、畜舎等の清掃・消毒に多大な労力を要することとなり、被害額も大きくなります。
年度別の飼養規模別発生状況442

グラフ1 年度別の飼養規模別発生状況442

第一胃内と口腔内にもサルモネラ菌は存在

 感染経路の多くは、サルモネラ感染牛が排菌している糞便により飼養環境を汚染し、菌が混入した飼料や水を摂取することで感染が拡大します。しかし、平成11年度発生農場で糞便にサルモネラ菌を排菌している牛を対象に唾液と淘汰牛の臓器の培養検査を行った結果、口腔内の唾液と第一胃内容液からサルモネラ菌が分離され(表1,2)、感染牛の唾液や反芻液による飼槽や給水器の汚染も考えられました。

経口感染を防ぐ

 通常の牛は、サルモネラ菌を経口から摂取しても、胃や腸内で除菌されます。しかし、摂取する菌量が多い場合や、摂取する菌量が少なくても免疫力が低下している幼弱な子牛や産褥牛は感染しやすくなります。このことから、次のことに注意し、サルモネラ菌をできるだけ経口から摂取させないことが重要です。

  1. 飼槽や給水器に残渣があると細菌が増殖するので(写真1)、定期的に清掃・消毒しましょう。
  2. 畜舎内および周囲は、清掃して定期的に消石灰を散布して消毒しましょう。
  3. パドックの草架は、その回りが泥状(写真2)にならないような清潔な場所に設置しましょう。

写真1

写真2