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子牛を取り巻く温度について

 子牛を快適な環境で飼養することは生産性の向上につながります。今回は、牛を快適に飼養するうえで身近な温度について紹介します。

熱の伝わり方

  熱は高い方から低い方へ以下の4 経路で伝わります。

家畜の体温調整

 家畜は環境の温度変化に対して以下の反応により体温を一定に調節します。
 ● 高温時:発汗、呼吸量の増加、熱生産の抑制
 ● 低温時:放熱の抑制、ふるえによる熱生産、肝臓や褐色脂肪組織からの熱生産
 家畜が多くのエネルギーを消費せずに体温を一定に維持できる温度(熱的中性圏)は、若齢なほどその範囲が狭く、若齢牛での上限(臨界高温)は25℃程度、下限(臨界低温)は15℃程度だとされています。気温がこの範囲を外れると牛はエネルギーを使い体温を一定に保とうとします。子牛にとってこのエネルギーは本来成長に使われるものであり、子牛を飼養するうえでエネルギー効率が悪くなってしまいます。また、高温環境下では採食量が減少し、低温環境下では消化率が低下するため、エネルギーの確保がより難しくなります。

子牛の温度管理

 牛を健康に発育させるためには飼養環境の温度管理が不可欠です。暑熱や寒冷対策には換気や給水、飼養空間の改善などの考慮が必要です。暑いときは直射日光を避け、熱がこもらないよう換気を行い清潔な水を十分に給与しましょう。写真のような工夫も効果的です。

 寒冷時に冷たい水を給与<することや、子牛を濡れたままにしておくこと、風を直接当てることは避けましょう。また、床材に使われるコンクリートは、ゴムマットや土より熱が伝わりやすいため底冷えに注意が必要です。子牛を適切な温度下で飼養することは疾病を予防し、健康に成長させる第一歩です。
 まず、子牛の飼養環境の温度を今一度確かめてみてはいかがでしょうか。

写真:ハッチの後部を10㎝持ち上げ換気を行っている。
   遮光シートも効果的。

 

参考文献
ライフステージでみる牛の管理(緑書房) これからの乳牛群管理のためのハードヘルス学(緑書房)
日本飼養標準(中央畜産会) NRC 乳牛飼養標準(デーリィ・ジャパン社) 子牛の科学(チクサン出版社)