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牛にとって大切な水

 水は私たち人間だけではなく、動物にも欠かせません。特に乳牛では生産する乳の約85%は水分であり、飲水量が乳量に影響するとも言われています。牛の健康維持と生産性向上のためには、きれいで十分な水を提供する必要があります。

給水機の掃除忘れていませんか?

 水槽やウォーターカップなどの給水器は、写真1.jpg清掃され清潔なウォーターカップ(写真1)牛が水を飲むたびに餌や唾液によって汚れます。フリーストールやフリーバーンでは糞尿で汚染することもあるでしょう。

 そのため給水器の清掃は欠かせない作業ですが、一度に全ての給水器を掃除するのは大変です。しかし、一日の清掃する給水器の数を決め、数日で一巡するように作業すると、作業の負担も少なく、すべての給水器が一定の間隔で掃除されることができます(写真1)。

 また、繋ぎ牛舎などで天井裏や、牛舎の高い位置に給水タンクが設置されている場合は、給水タンクも忘れずに清掃しましょう。定期的な掃除により流水量の低下や水漏れなど、給水器の不具合にも早く気付くことができます。

 もちろん、牛に十分に水を飲んでもらうという点では、給水器の汚れは一つの問題にすぎません。他にも設置箇所や数、流水量、水質、水温など、様々な要因が飲水量に影響します。

清掃され清潔なウォーターカップ(写真1)

飲水量確保の改善事例

繋ぎ牛舎で水道管が細い場合、1頭の牛が飲むと、他の牛への流水量が減ってしまい、飲水量が制限されてしまう場合があります。

 そこで、従来の水道管の上に太い塩ビ管を配管し、2次的な貯水槽の役割をするものを配置することで、たくさんの牛が同時に飲んでも水量は確保されるようになりました(写真2)。

 水量が多いため、専用のウォーターカップにする必要がありますが、既存の牛舎構造を利用し、改善費用も比較的抑えることができるようです。

太い塩ビ管を配管した改造例(写真2)

太い塩ビ管を配管した改造例(写真2)

 これからの季節、気温が上昇し本格的な暑熱期となり、水の要求量も高まります。ウォーターカップや水槽など、給水器のこまめな清掃を心がけ、必要であれば給水設備の改修や増設などを行い、牛にも快適な夏を提供しましょう。