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みなさんもビタミンという言葉はよく耳にする機会があると思います。炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラルなどと同じく生物にとって不可欠な栄養素の一つです。しかし、ビタミンは体内で合成することがほとんどの場合できないため、何らかの形で摂取することが必要とされています。種類によっては過剰な場合に悪影響があることは知られていますが、欠乏つまり足りないことで家畜においても様々な症状を現すことがあります。今回はその中でも身近なものについて紹介します。
ビタミンB1(チアミン)
写真1:大脳皮質壊死症を発症した子牛
ビタミンEおよびセレン
写真2:白筋症を発症した子牛
ビタミンD
腎臓などで主に作られ、腸からのカルシウムの吸収を促すとともに骨からの動員も含めカルシウムの血中濃度の調節に重要です。また日光を浴びることにより活性化される性質があります。欠乏により子牛ではくる病、成牛では骨軟症を引き起こします。分娩時の低カルシウム血症の予防という点でも非常に重要とされています。
気になる症状が見られたら
この他にもビタミンA欠乏による肥育牛の肉質低下や眼障害など、各種ビタミン欠乏により様々な症状がみられることがあります。
酪農畜産分野においても私達が活用するサプリメントと同様に多種多様なものを添加して栄養を補っていると思いますが、場合によっては口から補給するだけでは改善が難しいこともありますので、気になる症状がみられた際には最寄りのNOSAI獣医師までご相談下さい。