技術情報

臍ヘルニア(出べそ)について

 畜産、酪農に携わっている、ほとんどの方が経験していると思われる、臍ヘルニア(出べそ)について少し話をしたいと思います。

 写真のように、臍ヘルニアは、ホルスタインでも和牛でも、普通に見られる疾病の一つなのですが、どうしてこの病気が起こるのかご存知でしょうか?臍が化膿してその後発症という事もありますが常染色体の劣性遺伝が原因とも言われています。良く聞くバンド3欠損、BLAD等のように死んでしまうような病気ではないのですが、見栄えが良くないばかりか放って置くとヘルニア輪(へその穴)が拡がり、足で踏まれ腸が飛び出した・・・、なんてことも起こり得ます。例えば酪農家では、メスは後継牛として残るわけで、当然治療をしますがオスの場合、元気があっても市場ではタダ!!なんてことになった方は多いはず。しかも治療をした場合、治療費の方が売却額より高くついた時期もあったりして、飼養を断念する事も多かったと記憶しています。
それでは、出べその対処にはどのような方法があるか説明します。

写真1

写真2

 大きく分けて手術を行わない①非観血法と手術を行う②観血法があります。
現在では、①の手術を行わなくても良い方法がかなり普及してきていますので、ほとんどがこれで済むようになりました。子牛にとっても痛い目に遭わなくて済みますし、処置も簡単で治療費も安価です。しかし、出べその穴が大きすぎる場合(指が2~3本以上入る)は、どうしても②の方法となります。

処置法①(非観血法)

固定板+テーピング法

 両面テープを貼った固定板を出べそに押し当て、後はテーピングで腹部をぐるぐる巻きにします。あとは10~14日後に再度、穴が塞がったか確認します。皮膚のたるみは残ります。

写真3

写真4

ネットで巻く方法

写真5

写真6

外科的処置

<メスの場合>
 メスについては特に問題ないのですが、オスの場合どうしても出べそとおしっこが出る部分が近いため汚染されやすく、術後に化膿しやすかったのですが、写真9~11のような方法により、従来より改善する事ができました。

写真7

写真8

<オスの場合>

写真9

写真10

写真11