技術情報

牛にとっての水

水の供給と品質は、牛の健康と生産性に非常に重要です。
水は栄養分の輸送や、老廃物や過剰な熱の体外への排出、体液やイオンバランスの維持に必要と言われています。
十勝NOSAIの牛群検診でも給水施設の問題があると考えられる農場も見うけられます。
今回は水について考えてみましょう。

A 牛はどのくらい水を飲むか

 牛が水を摂取する方法としては次の3通りがありますが、必要な水分のほとんどを飲水で獲得します。

  • 飲水による自由水の摂取
  • 飼料中の水
  • 体内での栄養素代謝で生じた水。

それでは牛はどのくらい水を飲むのでしょうか?
飲水量を計算式から求めることもできますが、実際に乳量30㎏の牛で1日に80~100kgほど水を飲むことが確認されています。高泌乳牛では1日に200㎏程水を飲むと言われています。
摂取する水の量は、乾物摂取量・乳量・気温などにより変わってきます。乾物摂取量が多いほど、乳量が多いほど、気温が高いほど飲水量は増加します。また、摂取した水とほぼ同量の水分が泌乳・糞尿等で排泄されます。更に、体内の水分のうち20%を失うと命に危険が有ると言われていますので、充分に水を飲まないで泌乳をしていると体調が悪くなるのは勿論のこと、生命を維持するために泌乳量を少なくしていきます。

B 水を良く飲む牛は乳が出る

 乾物摂取量及び乳量と飲水量には深い関係が有ります。乾物摂取量が増えると水分摂取量も増えます。すると、乳量は増加します。また、粗飼料割合が高い場合も糞中に排泄される水分が増えるそうです。

B 水を良く飲む牛は乳が出る

 乾物摂取量及び乳量と飲水量には深い関係が有ります。乾物摂取量が増えると水分摂取量も増えます。すると、乳量は増加します。また、粗飼料割合が高い場合も糞中に排泄される水分が増えるそうです。

C 給水施設

 搾乳牛の飲水は飼料給与時と搾乳時に集中しますので、給水施設が少ない・水道管が細い・水圧が低いなどの問題があると十分に水を飲めなくなってしまいます。

ウォーターカップ
器が小さく、水の供給量が不足したり汚れがたまっていると飲水不足となりがちです。位置が高すぎる、また低すぎる場合でも飲水に支障が出ます。配管・水圧に問題がある場合もあります。

連続水槽
掃除が大変。これを解決できればお勧めです。常に水がたくさんあるからと言っても、汚れがたまると飲んでいないことがあります。

水槽
糞尿汚染の機会が多い。フリーストールなどでは充分な大きさと数がなければ飲めない牛が出てきます。冬期間の水槽周囲の凍結も対策が必要です。水槽の幅は、1頭当り5cm必要で水面の高さは90cmが適切と言われています。給水器は最低10頭に1機の設置が理想です。

 その他、水質・水温なども牛の飲水には重要な要素となってきますが、詳しいことは次の機会にまわします。
 牛にとっての水の関係で最も重要なことは、常に新鮮で清潔な水を飲みたいときに充分な量を飲めると言うことです。また、暑熱期に向っての対策として、水の重要性の他に換気などがあります。