技術情報

発情発見方法について

 繁殖成績において、人工授精を実施しない限り、受胎の可能性はゼロです。人工授精を依頼するのに、発情を見つけることが第一、すなわち発情発見率を向上させることは最大の目標です。しかしながら、搾乳作業や飼料給与作業は日常の作業の中で、時間や手間をかけてますが、発情発見作業にはあまり手をかけていないのが現状です。繁殖成績の良い農家は朝夕に発情兆候発見のためだけに時間をかけたり、夜10時ころから30分くらい観察し、寝ていない牛をチェックしています。発情発見作業の時間は一日の作業を合理的にし観察の時間を作り出すことが大切です。そこで今回は少しでもよく発情発見できるように、発情の外部兆候を再確認することと発情発見の道具や繁殖記録の工夫を紹介します。

発情の外部兆候

  1. 外陰部の腫脹・浮腫
  2. 粘液の漏出
  3. 乳量の低下
  4. 乗駕を静止して受ける(Standing)
  5. 乗駕する(Mounting)
  6. 歩き回る
  7. 攻撃的(Butting)
  8. ほえる
  9. 後方をふりかえる
  10. 臭いを嗅ぐ(Flehmen)
  11. 顎をかける
  12. 人の後をついてくる

発情発見はStanndingをみつけることが基本

 牛を外へ出すかフリーストール牛舎でなければ観察できません。これが観察できれば一番よいのですが、こんなにはっきりするのは少なくなってきたようです。足元がぬかんるでいたり、すべりやすい通路ではStanndingしづらいので、この場合は環境の改善が先決です。乗られた牛が腰や足を痛め廃用になった例もあり繁殖だけの問題ではありません。

Stanndingのあと(脱毛がはっきり観察できます)

発情発見率を上げる為の道具

万歩計

 大規模なフリーストール牛舎で利用価値があるかもしれません。コンピューターと連動しています。値段はかなり高いです。後肢に万歩計がついているものと首についたものがあります。肢につけたものでは、肢が痛いと歩数が減少しデーターに現れないことがあります。

ヒートマウントデテクター(尾根部に貼るシール)

 ヒートマウントデテクターの代わりにペンキなどを塗布してそれがうすくなっていることで発情をみつけようとするもの。専用のペイントが市販されています。

テールペイント

繁殖記録について

 人工授精台帳は、十勝NOSAIが授精実施しているところは十勝NOASAIの授精台帳、農協が実施しているところは農協の授精台帳がそれぞれあり、授精の際には記入されていますが、分娩や初回発情・出血の記録は自分で記録しなければなりません。正確な記録は次回の発情や乾乳日をチェックするためにも必要です。これ以外に独自で工夫されている方も多いと思います。授精した牛や分娩した牛の番号を普通のカレンダーに記入している方も良く見かけます。また、牛1頭ごとに繁殖カードになっていて、分娩後未授精、授精中、妊娠、乾乳という引き出しや棚に分けて置いてあるところもあります。

繁殖管理盤

こまめに毎日記録を変えていかなければ、ただの高価な飾りになってしまいます。

繁殖台帳の整備の例

 加入頭数1000頭以上のメガファームの繁殖台帳です。繁殖台帳はまさに繁殖管理のデーターベースです。
 牛一頭ごとに作成される繁殖台帳には、分娩月日、初回授精月日、最終授精月日が記録されています。さらに授精中止の場合の状況や治療の記録なども記入されています。授精野帳は、日付ごと2枚複写の用紙になっており、1枚は授精野帳綴に日付順に保存され、もう1枚はそのまま技術員の授精野帳となります。分娩牛台帳綴は、まず分娩月日順に牛の耳標番号を記入するようになっています。その他、分娩難易度、子牛の体重等を記載する欄が設けられています。no10.jpgいずれも日付順の一覧になっていることがポイントです。コンピュータ操作で言えば、いわば授精、分娩のそれぞれの日付順にソートがかけられたシートが用意されている訳で、繁殖検診対象牛の抽出を極めて容易にしています。

以上お話ししましたが、発情を発見して受胎させないことには生産性が上がりません。各農場で色々な方法や違った道具があると思います。今後、更なる繁殖向上のために参考にして下さい。