技術情報

TMRにおけるグラスサイレージの混合量の調整

新しく開封したバンカーサイロのグラスサイレージで、これまでと同重量のTMRを作ったら、ミキサーからはみ出し、残滓が大変多くなりました。どのくらい作ったら良いのでしょう か?

新しく開封したサイレージの水分が少ないとき、あるいは取り出し進んで低水分となってきたサイレージは、同一重量に対するカサ(乾物量)が多くなることから、図2-1のようなにミキサーからはみ出すことになります。日頃の観察から牛群に要求される乾物摂取量を推定し、サイレージの水分にかかわらず一定に保つことが大切です。

1.自給粗飼料の乾物摂取量を簡単に知る方法

 水分50%程度、食い込みの良いTMRであれば、簡単かつ経験的に推測できます。

① TMRの給与量を加減し、残滓が残らない給与量を確認

② 水分50%のTMRにおいて給与量の半分が乾物量なので、自給粗飼料の乾物量は

自給飼料の乾物量≒TMR重量×0.5-購入飼料量
( 購入飼料:濃厚飼料、ルーサン乾草等 )

で求められます。

正確に求める場合は
自給飼料乾物量=TMR重量×TMR乾物率-購入飼料×乾物率
で求めることができます。

③グラスサイレージが変っても乾物量が一定であれば残滓は少なくてすみます。

2.サイレージの水分を測定する方法


水分測定は、特殊な分析器を必要としません。現物量を測った後、電子レンジ、オーブンレンジ等で水分をとばして乾物量を測定します。乾物量を現物量で割れば乾物率が出ますので、補正のための設計を行ないます。

3.実際の計算例

以下の条件で、乾物要求量を満たす一頭あたりの現物量および乾物量を計算してみましょう。(DM = 乾物量)
―― 対象牛群:体重630kg、乳量35kg、乳脂率4% etc.
―― 前のグラスサイレージ  ; DM=22%(高水分)
―― 新しいグラスサイレージ ; DM=38%(中水分)
―― その他の給与飼料    : ルーサン乾草3kg、濃厚飼料13.5kg

計算1.元のグラスサイレージ(DM22%)使用時

給与量は、現物量38kg、乾物量8.3kgとなります。

計算2.新しいグラスサイレージ(DM 38%)使用時

 元のTMRと同じ重量で調整すると給与量は、現物量38kg、乾物量14.6kg。
乾物量が6.3kgも多くミキサーからはみだしてしまいました。
(14.6kg-8.3kg=6.3kg)

計算3.グラスサイレージ量修正時

 グラスサイレージの乾物量を元の乾物量と同じ8.3kg給与するように修正すると必要現物量は21.5kgとなる。( DM充足率≒100%)

注意してください!
<サイレージが低水分から、高水分に変った>
乾物不足により乳量大幅減、周産期病多発など、経済的影響はより深刻です。また、牛群が小さい場合は平均乳量の変動によっても乾物量が変動するので注意してください。