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Q1、盗食を発見したら、まず何をすればよいですか?
飼料給与を中止し、可能ならば健胃剤や重曹などを飲ませて獣医師の診察を受けてください。その際、いつ盗食したか、盗食した餌の種類、量などを伝えてください。Q2、体にできるイボ(乳頭腫)はどうしたらよいのですか?
乳頭腫はウイルスの感染により発症します。育成期にイボがあっても、親牛になると免疫作用で自然消滅することが多いようです。治療方法としては、大きいイボを数個取り除けば、他の小さなイボが自然消滅することが多いようです。また、もっと大掛かりな外科摘出手術、薬剤による内科療法が行われることもあります。感染が広がる恐れがある場合には、発症牛を隔離したり、密飼いをしないことが効果的です。Q3、治療中の起立不能牛を吊起する時に、気をつけることは?
カウハンガーを腰に装着するだけで吊起する場合が多いようですが、吊られた牛が腰を中心に前後左右に暴れ、腰部がダメージ(挫傷)を受けてしまうことがあります。これを避けるためには、「もくし」で短く固定することが効果的です。頭部を固定した上で吊起すると、牛は上下にしか動けず、腰のダメージが小さくなり、また、起立する可能性が高くなります。起立不能牛では、虚血(血のめぐりが悪いこと)による肢の筋肉のしびれがあるため(後肢がしっかり立たないと、前肢を立てられず起立できない)、腰部を適当な高さまで吊り上げた状態でしばらく観察することが大事です。Q4、起立不能牛の看護方法は?
充分に飲食できる管理をすることはもちろんですが、滑走や転倒による脱臼や筋肉の損傷を防ぐため、また衛生的な管理のために、牛床の敷料を多くして、こまめに入れ替えましょう。また、開脚防止バンドを装着しましょう。土間などの柔らかく、滑りにくい場所に移動することも重要なことです。Q5、胎盤停滞が多いが、どうしたらよいですか?.
胎盤停滞の原因には、分娩前後のストレスによる免疫機能低下、低カルシウム血症、ビタミンE・セレン不足、子宮の収縮力低下などが考えられますが、詳しくは分かっていません。 予防として、乾乳期でのビタミンEやセレンの投与、分娩後早期にオキシトシンやカルシウム剤を投与すること(子宮の収縮を促す)などで効果の見られることがあります。 停滞した胎盤を無理に除去すると、子宮を傷つけてしまい、出血や細菌感染を起こさせてしまうことがあります。発熱や食欲不振などがあれば獣医師に診療依頼してください。Q6、胎盤を牛に食べさせてもよいですか?
食滞の原因になることがあります。衛生面からも、すみやかな適正処分が望まれます。Q7、乳熱になりやすい牛とは?
3産以上、高泌乳、乳熱の病歴がある、痩せすぎ、太りすぎ、乾乳期に採食量が低下している、泌乳期と乾乳前期に十分なカルシウム摂取をしていない、乾乳後期にカルシウムやカリウムを過剰に摂取している、このような牛は乳熱になりやすいといえます。Q8、第四胃変位の整復手術後は、餌を与えないほうが良いのですか?
手術後は良質の粗飼料を中心に給与し、徐々に濃厚飼料(配合飼料)を増やしていくのが良いでしょう。第四胃変位になる牛は第一胃の内容物が少なくなっており、餌を与えることで第一胃の容積を増やして、腸管の動きを活発化させることが大切です。Q9、帝王切開の語源について、教えてください。
帝王切開は、ドイツ語で「切開切除」を意味する「Kaiserschnitt」を日本語訳した際、この語を「Kaiser(皇帝)」、「Schnitt(切開)」と間違って切り離して訳してしまったために生まれた語というのが、正しい説のようです。しかし、帝王切開の語源には俗説が多く、以下のようによく知られているものもあります。