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乳房炎防除は正しい搾乳から

 乳房炎は今なお牛の病気の約4割を占め、その治療には多大な経済的損失、時間的なロス、精神的負担を伴います。
 乳房炎を引き起こす原因には、搾乳衛生、搾乳機械、牛舎環境、牛の抵抗性、気候など様々考えられ、その防除は難しいと思われがちです。
 しかしその中で、正しい搾乳方法に改善することは経済的負担が少なく、乳房炎防除に非常に効果的です。
 日々の搾乳作業を一度点検してみてはいかがでしょうか?

家畜技術情報-1.gif図1.jpg図1搾乳衛生上推奨される作業の同時実施、未実施と体細胞数

図2_1.jpg 「衛生的な搾乳は正しい搾乳作業から」といっても過言ではありません。搾乳作業がバルクの体細胞数に与える影響は大きく、推奨される搾乳作業を実施している牧場ほど未実施の牧場とのバルクの平均体細胞数の差が大きくなります(図1)。推奨される搾乳作業については様々なところで紹介されていますが、重要なのは搾乳する前の乳頭を清潔にすることと牛の泌乳生理に合わせて搾乳し、いかに短時間にたくさんの牛乳を搾るかということです。
 図2はラクトコーダー(乳流量計)を用い、同じ牛を前搾りからユニット装着までのタイミングを変えた時の泌乳曲線を示します。上の図はユニット装着までのタイミングが早く、前搾りも不十分なため二度出しがあり、ピーク流量も低く、搾乳時間が延長しています。それに比べ牛の泌乳生理に合わせ、1分半程度で装着されている下の図ではピーク流量が高く、同じ乳量を1分図1_1.jpg図2 ラクトコーダーによる分析以上短い時間で搾ることができています。
 前搾りをしっかり行い、1分から1分半程度をかけ乳頭のみをしっかり清拭し、適正なタイミングでユニットを装着することにより搾乳時間は短縮します。その結果、搾乳時の真空による乳頭端の突出や変形などのダメージを少なくすることができ、乳頭の健康を保つことで乳房炎に感染する危険度を大きく減らすことにつながります。

①搾乳前の準備

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  • 素手は汚れが落ちにくくゴム手袋は必須。
  • 清拭タオルは殺菌剤の入ったお湯に浸す。
  • 温度はお風呂のお湯くらい。クーラーボックスを使うと保温しやすい。
  • 効率的な搾乳にはワゴンが必要。

②ユニットの移動

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  • 前搾りから1分〜1分半程度で装着するためには搾乳する牛の所へユニットを移動しておく必要がある。
  • クローに残った生乳が垂れないように移動し掛けておく。

③前搾り

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  • 乳頭清拭前に前搾りをする。
  • 乳頭をしっかり握ってしっかり4回以上前搾りをすることでオキシトシンの分泌がより増え、乳流量が多くなる。
  • 前搾り乳はストリップカップに受ける。

④乳頭清拭・乾燥

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  • 1頭に1枚以上のタオルで清拭する。
  • 乳頭のみをしっかり清拭する。
  • 仕上げに乳頭口を清拭する。
  • 乳房まで清拭しない。
  • ペーパータオルを使用して乳頭を乾燥させることでライナースリップを減らすことができる。

⑤ユニット装着

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  • 前搾りから1分~1分半程度で装着。
  • ライナーをN字型に折り曲げ、エアーを吸わせないように装着する。
  • 盲乳分房にはライナーキャップを使用する。

⑥ユニットの調整

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  • 乳房に対して垂直になるようにユニットを調整する。
  • フックを利用して牛に添わせるようにロングミルクチューブを調整する。

⑦搾乳後半・ユニット離脱

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  • ライナースリップが起きたらすぐに対処する。
  • 乳房をもんだりユニットを引っ張ることは人為的ライナースリップを起こすことになるのでしない。
  • クローに生乳が伝った時が離脱の適期。早めの離脱を心がける。
  • 1本ずつ離脱しない。4本同時に離脱。
  • 真空が完全に解除されてから離脱する。

⑧ディッピング

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  • ノンリターンディッパーを使用し、効果の認められる薬剤を用いてしっかり乳頭全体をディッピングをする。

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