2006_第四胃変位多発農場における総合的検診事例 of tokachi_nosai

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第四胃変位多発農場における総合的検診事例

 第4胃変位多発農場で代謝プロファイルテストに基づく飼養管理指導および乳房炎防除対策を実施し、第4胃変位手術例が減少し乳質も良くなった事例を報告します。



対象農場の概要

経産牛頭数 70頭
飼養形態 スタンチョン(昼間パドックにて運動有り)
飼料作物総面積 55 ha(グラスサイレージ主体、コーンサイレージ無し)
労働力 5 名(家族労働)
経産一頭当たり乳量 11,500 kg
飼料給与 TMR+自動給餌機(濃厚飼料)

 


検診以前の問題点

  • 乳量は増加したが、それにともなって繁殖成績が悪化
  • 繁殖成績の悪化によって乳量が低下
  • 過肥牛が増え第四胃変位等、周産期病が増加
  • 乳質についても、乳量に連動するように体細胞が高く推移

検診以前の第4胃変位手術頭数 ( )内は経産牛70頭に対する発生率

2003年 6 頭(8.6 %)
2004年 14 頭(20%)

検診実施内容

第1回牛群検診(代謝プロファイルテスト) 2004年11月
搾乳立会 2004年12月
飼料設計 2004年12月~現在
繁殖検診 2005年2月~現在
第2回牛群検診 2005年11月

第1回牛群検診での飼料給与と問題点

 乾乳時での泌乳用TMR長期給与で乳熱が多発。また、産後から泌乳ピークまでの濃厚飼料の増給スピードが速いこと、更に自動給餌機での一回当りの濃厚飼料給与量が多い(最大1回5.5kg)ことから、軟便となっており、アシドーシス傾向が血液結果でも確認された。

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以上から乾乳時の泌乳用TMR給餌を中止し、泌乳期では、TMRのベースを上げ(25→30kg)、自動給餌機での1回当り濃厚飼料給与量を減らした。

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第1回牛群検診(MPT)後の繁殖成績と乳量の推移

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 以上のように一時期、繁殖成績の悪化にともなって乳量が低下しましたが、飼養管理を改善することによって再度、乳量、乳質も回復してきました。第四胃変位手術も2005年は約1/3に減少しています。この農場で行ったのは、周産期から泌乳ピークに的を絞って飼料設計を行ったこと、更にライナーの離脱のタイミングを適性にしたことです。
 今回の結果から、乾乳後期から泌乳ピークに向けての管理がいかに重要で、デリケートなものだということを考える機会にして頂けたら幸いです。
 泌乳、乾乳といった一連の流れの中で、リズムを作りだすことは非常に重要なことです。しかし、その中でも周産期を無難に乗り切ることが、まず第一歩になることを肝に銘じたいものです。

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