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MUN(乳中尿素窒素)を活用しましょう

 乳牛の栄養状態をチェックする方法は色々あります。乳検データーやBCS(ボディコンディションスコア)などはその代表的なものですが、酪農家の皆さんが簡単に活用できる指標としてMUN(乳中尿素窒素)があります。今回は、毎週皆さんに届いている旬報データーのMUNの活用について説明します。

1.MUNとはなんでしょうか?

 ご存知の方も多いかもしれませんが、牛は飼料中のタンパク質のうち、ルーメンで分解されるタンパク質(分解性タンパク)を一度アンモニアまで分解して、再び微生物タンパク質に合成して利用します。この分解性タンパクから供給されたアンモニアを、微生物がタンパク質に合成するときに糖やデンプンなどのエネルギーが必要になります。この微生物タンパク合成のためのエネルギーが不足したり、分解されるタンパク質が過剰に供給されたりすると、あまったアンモニアはルーメン壁から吸収され、肝臓で尿素に変換されて排泄されます。その一部は乳汁中にも分泌されます。それがMUN(乳中尿素窒素)でタンパク質とエネルギーのバランスの指標になります。

fig1.jpg

2.MUNからわかること

 飼料中のタンパク質が過剰であったり、微生物タンパク質合成のためのエネルギーが不足していると、MUNは高値になります。逆に飼料中のタンパク質が不足していたり、タンパク質に対してエネルギーが過剰であると、MUN値は低値になります。                                    (現在のところ正常範囲としては10~14mg/dlと考えられていますが、主体粗飼料により平均値に差があります。今後正常範囲の再検討も考えられます。)

3.MUNと乳タンパク

 MUNは乳タンパクと組みあわせにより、表に示したように栄養状態のバランスを予想する事が可能です。  

  乳中尿素窒素(MUN) 

乳蛋白

(%)

  低 9mg/dl以下 中 10~14mg/dl
高 15mg/dl以上
高 3.2%以上 分解性タンパク不足 エネルギー過剰 分解性タンパク過剰
エネルギー過剰 エネルギー過剰
中3.0~3.2% 分解性タンパク不足 適正バランス 分解性タンパク過剰
低 3.0%以下 分解性タンパク不足 エネルギー不足 分解性タンパク過剰
エネルギー不足 エネルギー不足

4.月別MUNの推移の実例

fig2.jpg

 上記の表は夏期放牧しているA牧場のMUNと乳タンパクの推移です。5月から8月の期間は、青草を採食しているため、分解性のタンパクとエネルギーのバランスがとれていますが、10月から4月の青草を採食していない期間は、MUNが低く分解性のタンパクが不足しているのが分かります。

fig3.jpg

 B牧場は年間を通してTMRを給与している牧場です。MUNは1年間を通して適正範囲で安定しています。5月から11月はグラスサイレージ主体のTMRですが、12月から4月はデントコーン主体になるため、ややエネルギー過剰になっているのが分かります。

5.基本は牛の観察です

MUNはあくまで栄養バランスをチェックする一つの指標でしかありません。1回の旬報データーだけで判断はできません。牛が腹いっぱいエサを食べているか、毛ヅヤや乳房の張りはどうか、糞の状態はどうかなど、他の情報と合わせて利用していく事が大切です。

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