2018_子牛のヘソを大切にしましょう of tokachi_nosai

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 初生犢の集荷時にヘソの腫れを理由に断られたり、育成期になってヘソが大きくなって気付いたりしたことはないでしょうか(写真1)。生まれたばかりの子牛のヘソの管理は大切です。
 

 子牛が生まれたときに、最初に感染から守らなければいけない部位は臍帯(ヘソの緒)です。臍帯は、妊娠中に胎盤を介して母牛から酸素や栄養をもらうための組織ですが、生まれた後には不要となるため、分娩の過程で切れてしまいます。そのため、生まれて間もない子牛の臍帯は体外に露出したままの無防備な状態になっており、免疫機能も十分でないため、臍帯が細菌感染の入り口となってしまいます。
臍帯炎の症状で命に関わることは少なく、そこまで深刻に考える病気ではないと思われがちですが、手術が必要となる場合や、菌血症に陥り重症化する場合もあり、慢性化すると発育不良の原因となることもあります。
1.jpg写真1:ヘソの腫れ(臍膿瘍)
 

 臍帯炎の原因は細菌感染です。治療には抗生物質の投与などが必要となりますが、一度炎症が起きて腫れてしまった場合、すぐに完治しません。感染してから治療するよりも、感染させないようにすることが重要で、そのためには、①適切な臍帯の消毒、②適切な初乳の給与、③分娩房を衛生的に保つこと(写真2)がポイントです。
2.jpg写真2:分娩房の環境を整えましょう
 

 臍帯の消毒には、ヨーチンやポピドンヨード(イソジン)、クロルヘキシジン(ヒビテン)が効果的で(写真3)、臍帯の中に直接注入する必要はなく、乳牛の搾乳後のディッピングのように浸して消毒することをお勧めします。
また、分娩房は1頭あたり4.5m四方の広さが理想で、十分な敷料を敷くことで子牛の臍帯が乾くまでの間も清潔に保つことができます。
もし子牛が糞尿で汚れてしまっていた場合は、ぬるま湯で体全体をきれいに洗い、しっかり乾かしましょう。臍帯が乾くまでの間、敷料はこまめに交換し、乾いた環境にすることが重要です。
3.jpg写真3:ヘソの消毒剤
 

 
 
参考図書:「子牛の科学」日本家畜臨床感染症研究会編(チクサン出版社)
 




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