2016_繁殖成績向上への基本的な対策について of tokachi_nosai

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 酪農経営において繁殖成績の向上は重要な課題です。ここ数十年間、空胎日数の延長、初回受胎率の低下など繁殖成績は悪化しており、背景に遺伝的改良による高泌乳化や多頭飼育化が挙げられ、飼養栄養管理が追いついていないことも要因の一つです。今回、繁殖成績を改善するポイントについて紹介いたします。
 


 
 乳牛が摂取した栄養は一般的に、次のような優先順位で使われます。
  生体維持>胎児の発育>成長>産乳>体脂肪>繁殖(卵巣機能回復)図-1.jpg
 栄養摂取状況に応じ、優先順位の低い方から機能が抑制されます。繁殖の優先順位は一番低く、最も影響を受けることになります。一般的に原始卵胞が成熟し排卵するまでの期間は70~80日かかると言われ、分娩後の適正な時期に授精するには、周産期の栄養管理が重要になります。(図1)


 

 
 乳熱、ダウナー及び第四胃変位などの周産期病を発症した牛群では分娩間隔が延長していることから(表-1)、分娩後の順調な回復には、周産期病対策が重要です。適切な飼養環境下で、十分な粗飼料と必要な栄養を与え、ミネラル摂取量を調整する事で周産期の低Ca血症を予防し、「分娩後速やかに」乾物摂取量を増加させることが周産期病の低減には必要です(グラフ-1)。表-1.jpgグラフ-1.jpg

 

 
 乳検情報やボディーコンディションスコアー(BCS)を活用して栄養状態を確認できます。泌乳初期の乳蛋白率低下は、エネルギー不足を意味します(目標2.8%以上)。分娩後30日未満の高乳脂率は、エネルギー不足による体脂肪動員を示します(目標5.0%以下)。BCSの注意点は、分娩後の急激な低下を抑えます(目標1.0以下の減少)。また分娩時の過肥(BCS4.0以上)を防ぐには、泌乳中期以降に調整する事が必要です。

 

 
 妊娠率(妊娠率(%)=発情発見率×受胎率)を高めることが重要です。“発情発見率”と“受胎率”の両方を高めるには、発情観察時間を増やし、発情発見補助ツールの利用や授精タイミングを最適化する方法などがあります。空胎日数は115日を越えると、1日当たり1,200円/頭程度の損失があるとの試算もあり経営に大きく影響します。両方を改善する方法として、当組合の損害防止事業である受胎率向上対策(定時人工授精プログラム)の利用も有用です。


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