2015_農場における感染症のコントロール of tokachi_nosai

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 牛の主な感染症は表-1のとおりですが、これらの感染症を発生・まん延させないためには、下記の内容で農場内に病原体を入れないことと排除することが重要です。なお、畜舎、器具や作業車両の洗浄や消毒に使用する薬剤は、目的に合ったものを用い、使用説明書に従った濃度で使用願います。

① 農場内では清潔な作業服・長靴を着用し、糞便で汚れた長靴では飼槽に踏み入らない。

② 哺乳に使用する哺乳瓶、哺乳バケツは頭数分用意し、使用後は洗浄消毒する。

③ 飼槽、ウォーターカップ、飲用水槽は日頃から汚れを除いて水洗し、牛床は糞便を取り除い
  て消石灰を散布し、乳頭や皮膚などの「あれ」を防ぐために十分な敷きワラなどを敷く。

④ 消石灰は水に溶けてアルカリ性になることで病原体に効果を示すことから、農場内敷地への
  消石灰散布は降雨する前に実施することが望ましい。

⑤ 畜舎から堆肥舎までの糞便の運搬経路は公道や牛移動通路を通らないようにして消石灰
  を散布する。

⑥ 糞便搬出する車両と飼料を給与する車両は分けて使用し、糞便や家畜の運搬および堆
  肥の切り返しに使用した車両は、高圧洗浄機などで洗浄消毒する。なお、塩素系および
  ヨード系消毒剤はサビやすいので、消毒後は必ず水洗する。

⑦ 多くの病原体は60℃以上の熱で死滅することから、糞便を堆積した当初は、表面を消石
  灰で覆うことで病原体を死滅させ、内部は発酵熱で死滅させる。さらに堆肥を切り返しする
  ことで(月1回は実施)、堆肥のあらゆる部分が60℃以上になるようにする。

⑧ 注射針や直腸検査用手袋は1頭ずつ交換し、除角や去勢などで使用する器具は1頭ご 
  と使用した後に消毒液に浸漬して使用する。



表-1 牛における主な伝染病

病名等  ヨーネ病 サルモネラ症 牛白血病 牛ウイルス性下痢・粘膜病
(BVD-MD) 
病原体
 細菌:ヨーネ菌  細菌:サルモネラ・ダブリン    サルモネラ・ティフィムリウム  左記以外のサルモネラ属菌   ウイルス:牛白血病ウイルス  ウイルス:牛ウイルス性下痢ウイルス
法定伝染病   患畜(発症牛、検査陽性牛)        
届出伝染病     発症牛   発症牛  発症牛(持続感染(PI)牛含む)
主な症状  下痢・削痩   発熱・食欲減退・下痢・粘血便流産(ダブリン)  リンパ球増加・体表(内)リンパ節腫脹・削痩・元気消失・食欲不振・下痢  (急性)発熱・発咳・流涎・下痢・口腔粘膜び爛      (慢性)発育不良・削痩・下痢 
感染経路
 
・ヨーネ菌(感染牛の糞便)を 経口摂取   ・サルモネラ属菌(感染牛の糞尿、だ液および乳汁)の経口摂取・母牛の菌血症で稀に胎子感染   ・感染血液の直接侵入(感染血液が付着した注射針、直検手袋、器具、吸血昆虫などを介して侵入)・感染乳汁の経口摂取 ・感染牛の鼻汁、糞尿の経気道感染・垂直感染(胎子感染)
検査法 ・血液検査
・糞便検査
・糞便検査・サルモネラ、ダブリンについては血液検査を併用
・糞便検査
・血液検査
・血液検査 (スクリーニング検査として  バルク乳)
感染牛の処置 ・治療法はなく隔離し法令殺
・隔離し生菌製剤および抗菌性物質の投与による治療・成乳牛では粗飼料割合を高めた飼料給与・治療等に反応しない牛は淘汰
・治療法はなく隔離し淘汰
・持続感染(PI)牛は治療法はなく隔離し淘汰
感染牛のと畜・生乳出荷
・症状がある場合は、と畜および生乳を出荷することはできない
・症状がある場合は、と畜できない
・症状がなくても感染が確定した場合は、と畜および生乳を出荷することはできない       ・症状が無くても感染が確定した場合は、と畜できない 
・確定診断の検査期間中(検査材料を採取した時点から)、と畜および生乳の出荷を自粛        
感染予防 ・感染牛を隔離
・感染血液、乳汁、糞便、尿などが付着した器具等の洗浄消毒
・牛舎(飼槽、水槽、通路、牛床など)の消毒
・初乳の加温殺菌
      ・吸血昆虫に接触させない・抗体陽性牛の計画的な淘汰・更新  
ワクチンによる予防 
・不活化ワクチン(感染阻止はできない)


・生ワクチン又は不活化ワクチン

協力 十勝家畜保健衛生所


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